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柳原 敏; 塩沢 周策; 斎藤 伸三
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(6), p.469 - 481, 1982/00
反応度事故条件下における燃料挙動の解明がNSRRにおいて進められている。実験の結果、UOペレットの偏心のために、被覆管温度が円周方向において異なっていることが判明した。この温度差は180°方向に取り付けた2本の熱電対による測定結果では、必ずしも最大の温度差を表してはいないが、測定可能な範囲内で最大150Cであった。他方、照射実験後、酸化膜厚さから温度差を推定した結果では、290cal/g・UOまでの発熱量条件において最大350Cであった。又、簡単な計算により、最大限UOペレットが偏心した燃料棒において被覆管の円周方向の温度差を評価すると、260cal/g・UOの発熱量において最大350Cの温度差が出来ることが分った。このUOペレット偏心の影響は、反形、溶融等にも現れており、UOペレットの偏心が燃料棒の破損にも影響を及ぼしている。
塩沢 周策; 斎藤 伸三; 柳原 敏
JAERI-M 8267, 22 Pages, 1979/06
本報告は、反応度事故条件下でのUOペレットとジルカロイ-4の化学反応について記述したもので、NSRR実験における照射後燃料の光学顕微鏡観察および電子線マイクロプローブ分析器による元素分析を行った結果についてまとめたものである。燃料が破損するしきい値以上では、UO-とジルカロイの熱力的不安定性のため、UOの一部がジルカロイによって還元され、その結果、ペレットと被覆管の境界部にいくつかのUO-ジルカロイ反応相が形成される。この形成される相に関して元素分析を行った結果、炉外実験や炉内PCM実験の結果と非常に良い一致を示した。また、脆性クラックにより破損したいかなる燃料にも存在するペレットと被覆管との強い結合は、このUO-ジルカロイ反応によるものと結論できる。この結合は冷却時の被覆管の熱収縮を阻止すると考えられ、脆性クラックによる燃料破損にとって重要な因子の一つとなっている。